「何もない」がある島@甑島
控えめに言っても…
惚れました、甑島に。
鹿児島県民でさえ、足を運んだことがある人はなかなか少ないのではないのでしょうか。
住所は薩摩川内市で、薩摩半島の左上、東シナ海に浮かんでいます(説明雑)。
私は一度行ったことがあるのですが、今回県外から遊びにくる友達がなぜか「甑島に行きたい」と言い、「良いけど何もないよ?」と答えました。
今なら過去の自分を怒ります。(笑)
いや、本当に何もないんです。
それは本当。
でも「何もない」=「楽しくない」と思っていた自分に怒りたいのです。
実際、二泊三日の甑島への旅、ものすごく楽しみました。
すっかり惚れました。
惚れるというかハマりました。
島にポテンシャルがありすぎて、これからまだまだ魅力を発見できそうな予感しかしない。
こんなオフシーズンに甑島に行くことになった理由は、「なんとなく」。
そして宿やレンタカーも直前に予約したくらい、ノープランの旅でした。
行きたいと思ったくせに知識が全くないもので、行きの船の中で友達が駅かどこかからもらってきたパンフレットを見て初めて勉強。
でも揺れる船には勝てず、いつの間にか寝落ち。
(「知ってる人いないし…」と思って、周りの人に寝顔を晒し最高にダラダラしていた様子をしっかりと見られていたとはつゆ知らず…)
結局たいした予備知識もなかったのに、私たちが存分に甑島を楽しめたのは温かい島民の方のおかげです。
船から降りるとレンタカー屋さんのご夫婦が迎えてくださり、空いたところに机と椅子を置いて速攻受付が始まり(「青空教室みたい」ってひとしきり笑った)、それからおすすめの場所や店を丁寧に教えてくれて、「少しわかりにくいから」と宿の場所まで案内してくれました。
宿の人も気さくで、「星空見るにはここがいい」とか色んなおすすめを教えてくれました。(上甑特有のトンボロ地形をちゃんと理解してなくて、反対方向の海に進んでしまったのだけど…(笑))
武家屋敷を歩いているとおばあちゃんが話しかけてくれたり、自転車に乗ったおばちゃんが元気な声で挨拶をしてくれたり…。
あまりにウェルカムな雰囲気に「え、知らない人へもとりあえず挨拶した方がいいのかな…」ってなりました(笑)。
オフシーズンということもあるのか、旅した三日間なんと一度も観光客に会うことはなく(笑)、「え、本当に人いるの?怖い怖い」と思うことも。
だからこそ、すさまじい山道を進んだ先に見えた集落の明かり、そして人の温もりが心底嬉しくて。
(天気が少し悪い中で行った下甑の釣掛埼灯台はサスペンス物の舞台にしか見えなかった…(笑)いや、もちろん大海原の景色はすごかったのですが)
二日目の下甑での民宿もまたアットホームで、下甑が取材されたテレビ番組とかをいくつか見せていただきました。
「あ、これは○○さんよ〜」と誰でも分かる女将さん(笑)。
さすが、島ネットワーク。
同じく夜ご飯を食べにきていた地元の漁師さんの言葉は全く理解できなかったですが(一応私は鹿児島県民のはずなんだけど…)、なんとも楽しい夜でございました。
外は台風かと思う嵐で、この民宿がなければ、怖すぎて尻尾巻いて逃げてしまいたいほど。
ここの人たちはずっと厳しい自然と一緒に生きてきたんだなあ、と改めて島の人の強さを感じました。
そんな島コミュニティの中によそ者の私たちが混ざっても、全然気にせずむしろすごく温かく迎え入れてくれて、とても居心地がいい三日間でした。
島の人は「何もない」と言うけれど、私たちが聞いたら色々と島のことを教えてくれて。
あぁこの島すごく愛されているんだなあと。
この島には何もない。
派手な観光地も、イルミネーションも、都会の喧騒も。
でも、つい忘れてしまいがちな、もっと大切な、深い温かさがある。
もちろん目では見えないし、言葉にするのも難しい。
だからって「魅力がない」ということにはならない。
みんなが一般的に求める「観光名所」がなくたって、むしろないからこそ、こんなにも私は「また行きたい」という思いに駆られているんだと思う。
そういう旅をしたい。
そういう感性を忘れないでいたい。
世間が求めるものに染まってはいないか。
なんだか甑島に試されていた気分になった。
深く、より深く見てみたい、この島を。
ほら、やっぱりハマってる。
とりあえず誰か一緒に甑島行きましょう(笑)
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