花は咲く
「また明日」と言わなくてもいいくらい、会っていたのが日常だった頃。
「また明日」の有り難みに気づいて「こう言えるのが嬉しいね」と言い合えること。
次にいつ会えるか分からないけれど、それでも笑顔で「またいつか」と別れられること。
切ないけれど、寂しいけれど、あったかい。
そんな存在がいて幸せだなと思う。
先日、学生時代の友達と旅行をした。
中には卒業以来会う子もいた。でも、どんな前置きもすっとばして、顔を見るだけで空いていた時間が全部埋まるような。そんな心地よさがあった。
あの頃と話す内容も遊び方も少し変わった気がする。
普段やっていることも住んでいる場所も違うから、みんな色々な経験をしていた。
成長は…してたのかな(笑)
なんだかんだ言っても「やっぱり変わらないね」そう当たり前のように笑えるのも、本当はとても嬉しいこと。
いつの間にか友達になっていたこの仲間たちとの出会いのきっかけは「東北」だった。
学生時代みんなでずっと東北を思い続けてきた。
どんなに離れても、忙しくても、それは今でも変わっていないようで。
「またみんなで東北に行きたいね」
なんか会うたびこの言葉言ってる気がするなあ。
大好きなあの場所は、あの人たちはどうしているかな。
そう思って記憶を辿れば、行きたいところが溢れてくる。
それだけ大好きで、大切な場所。
でも、実際にその地に降り立つと、表しがたい言葉で胸がいっぱいになる。
全然うまく言葉にできなくて、7年経った今だってそう。
どう伝えて、何を言うのが正解なのか分からない。
それが正直な気持ち。
ただ1つ言えるのは、私はあの場所とそこで出会った方たちが大好きだということ。
若くて何も分からなくて荒削りの私たちを懐深く受け入れてくれた、大好きな人たち。
“お元気ですか?”
毎年3月11日、毎月11日、だけではなく、あの頃よく聞いていたい音楽を聴くたび、あの頃の仲間と会うたび、そしてふとした時にそう思う。
浮かぶ顔がたくさんある。
それが幸せだ。
歳を重ねるほどに、大切な人が増えていく。
その出会いに感謝して、「またね」と言える明日に感謝して。
未来は悲しいくらいに危うくて、怖いくらいに儚いけれど、だからこそ、また会えた時は笑顔で「久しぶり」と言おう。
それまでまたそれぞれ頑張ろう。
”お元気ですか?私は元気です”